冥府考
こんばんみ、今回はshadowverse最強カードの一角?である冥府への道を軸としたデッキ作成をする際に、なんとなく体系化できそうな部分があったので文書化を試みてみようと言う趣旨です。
冥府への道について
皆さんご存知かも知れませんが導入として簡単に冥府への道について触っておきます。
コスト4のアミュレットで、自ターンの終了時自分の墓場が30以上であれば相手リーダーと相手の全てのフォロワーに6点ダメージを与える。というのが冥府への道です。
つまり墓場を30以上にして場に出せばほぼ勝利条件だよ!みたいな事がこのカードには書かれていますね。
この事から相手の攻撃を凌ぎ生き延びる事、そして墓場を肥やす事、この2点が冥府デッキの基本戦略となります。
墓場を肥やす事
攻撃の凌ぎ方も勿論大事ですが、今回書きたい内容は冥府デッキの基本戦略の内、墓場を肥やす事についてです。
ライフポイントがある対人ゲームにおいて、相手を倒しきるまでのターン=キルターンと言うのは勝敗に密接に関係します。冥府デッキのキルターン≒冥府への道が機能するターン=墓場が30枚以上になるターンと言うところで、とにかく墓場を効率的に肥やせれば肥やせるほど冥府デッキのキルターンは短くなり勝てるデッキになっていきます。
shadowverseのルールでは墓場はいろんな方法によって肥えていきますよね。
戦場のフォロワ・アミュが破壊される、手札からスペルを唱える、手札上限枚数からカードを引く、手札を捨てる、墓場が増える効果が発動する。
大体こんなもんでしょうか、いずれにせよカードを切ってゲームをしていけば自然な形で墓場は肥えていくと思って良いでしょう。
効率的墓地肥やし方のススメ
墓地肥やしの評価
では墓場を肥やす効率とは、あるいは効率を評価する単位とはどの様に考えていけばいいでしょうか?
まず率と言う事なんで墓場の増える数が分子ってのはいいですかね、となると注ぎ込むリソースが分母に値するんですけど、shadowverseのリソースと言えばカードか、あるいはPPですかね、ならそれぞれで墓場の肥える数を割った率を便宜上HKPC(HakabaKoe Per Card)、HKPP(HakabaKoe Per Pp)として考える事が出来そうです。
今回はデッキ構築の話をするのでHKPC、HKPPにおける評価の単位はデッキの最小単位であるカードの種別単位としてで良さそうです。
墓場肥えの分子は以下で集計とします、フォロワーとアミュに関しては場に出た時点で墓場にカウントするのが単純で良いですね。
・戦場にフォロワをN体出す +N (いずれ壊されるとして計上、消滅と場持ちを考慮するなら9掛けとかでも良いが)
・戦場にアミュレットをN個出す 0 or 1(アミュ破壊は破壊されない体、ただし土・カウントはいずれ壊れるので1を計上)
・スペル +1
・カードをN枚引く +N * M ※Mは下に説明あるが、M = デッキ内平均HKPC
・手札をN捨てる +N
・墓場がN増える効果が発動する +N
いくつか実際のカードを例に挙げてみたいと思います。
墓場肥やし評価ケース1:ゴーレムの練成
PP2でスペル、効果でフォロワーが1体出るので
HKPC = (1+1) / 1 = 2、HKPP = (1+1) / 2 = 1
単純ですね、では次の場合も考えてみます。
墓場肥やし評価ケース2:雄大なる教え
PP2でアミュレット(土)1、1枚ドロー・・・ドローの期待値に関しては分子 = デッキ内平均HKPC、HKPPの分母 = デッキ内平均PPが正しい値となりそうですが、概算として2枚墓地が肥えるPP3のカードを固定で引くと考えると以下です
HKPC = (1+2)/1 = 3、 HKPP = (1+2)/(2 + 3) =3/5=0.6
ドロー系のカードは手札を経由するので、HKPCはデッキに依存し、HKPPは低い値を取る傾向になりそうです。では次
墓場肥やし評価ケース3:新たなる運命
PP2でスペル、残りN枚の手札を全て捨て、N枚ドロー、このNによって大きく値が変わりそうですが、基本は大きな値を取り得る状況以外ではバンバン使わないスペルなので手札上限枚数-2のN=6位が妥当でしょうか、ここは概算値すら出しづらいので妥協です。引いてる分捨てており、捨て分と引き分のカードは等価と考えるのでドローによる率の変動は無し、と考えれば以下となります。
>HKPC = (1+6)/1 = 7、 HKPP = (1+6)/2 =7/2=3.5
・・・前のカードを比べると脅威的ですね、つまり墓地を肥やすデッキは新たなる運命を3枚必ず入れろ!と言いたくなる程の墓地肥やしのエキスパートです。(実際にはPP2で手札1枚を消費して盤面に影響を及ぼしていないのでもう一つの基本戦略である攻撃を凌ぐ性能としては最低です。更に手札に2枚目が来ると完全死に札になるしで新たなる運命*3がマストと言う構築は僕は疑問視していますが・・・)
こんな感じで時にフレキシブルにデッキのカードのHKPCとHKPPを求めていき、それぞれの合計/40をすることでデッキ平均HKPCとHKPPが求まります。(ちなみにドローの絡むカードのHKPCは平均HKPCを参照してるので循環参照状態になってます・・・適当な初期値を与えて再帰で正しい値を求め続ければ漸化していくと思いますが・・・まあ上手い事やってください・・・結局はどんぶり勘定が大事です。)
ここからは求まった平均HKPCと平均HKPPから冥府デッキの速度を求めていきます。
平均HKPCの評価
求まった平均HKPCとは一体どういう数字でしょう?例えば構成するカード全てがゴーレムの練成であるデッキを考えると平均HKPCは2です。このデッキが墓地を30枚に満たすまでにかかるターン数は以下の式で求められますかね。
とあるターンにおける墓場の数 = 平均HKPC * とあるターンまでに得るカードの累計
30 = 平均HKPC(2) *(3.5※ + 冥府達成可能ターンA)
冥府達成可能ターンA = 30/平均HKPC - 3.5
※0ターン目平均初手(後手が2枚引くので)
冥府達成可能ターンA = 11.5
数式から見て、平均HKPCが高ければ高いほど冥府状態に辿り着くターンが短くなると言えます。
11.5は流石に遅いですかね。
平均HKPPの評価
かたや平均HKPPはどんな値でしょうか?もう一度ゴーレムの練成40枚デッキで考えてみると以下の数式で冥府ターンを考えられそうです(平均だから引きムラとかマナカーブとか気にしない)。
とあるターンにおける墓場の数 = 平均HKPP * とあるターンの累計PP
30 = 平均HKPP(1) * (冥府達成可能ターンB(1 + 冥府達成可能ターンB)/2)※
冥府達成可能ターンB = (1 ±√(1 + 240/平均HKPP))/2※※
※累計PP = 初項1、公差1、項数がターン数の等差数列の和
※※二次方程式の解
冥府達成可能ターン数B = 約7.25
ゴーレムの練成はカード当たりの効率は微妙ですがPP当たりの効率で言えば中々の性能と言えそうです。ただしこちらはPP当たりなので毎ターンPPをフル消化する前提の値と言えますし中々そうは行かないと思いますが。まあ理論値なので良しとします。
冥府達成可能ターン
平均HKPCと平均HKPPから冥府達成可能ターンのA(カード供給的可能ターン)とB(PP供給的可能ターン)の理論値が求まりました。
このAとBの内、大きな値を取る方がその冥府デッキにおける平均冥府達成可能ターン≒キルターンといって良さそうですかね。
・
以上です。墓地肥やしの速度をある程度体系化出来たんじゃないかなと思ってるんですが、とはいえ机上の空論の域は出てないので、間違ってるところあったら指摘が欲しいところです。
まとめ
必死に書いといてあれだが、要はカード単位の墓場の肥やし方が相手の状況に左右されず不変的に求まるんで、ゲーム中のリソースで割ったら大体のデッキ速度求まるんちゃう?って話でした。多分ライブラリーアウトとかも同じ考えが適用できるんだろう
余談
今思えばエルフで冥府を使ってた時はとにかく収穫祭のドロー枚数の定義がはげしすぎてHKPCは求められなかったろうし、求まったとしても相当大きい値を取り得るからHKPPが重要だったのかも知れんな
HKPPは毎ターンのPP余りとかをターン数算出時に考慮出来たらもっと良くなると思うし、HKPCは手札0で墓場に達するターン数だから、実際にはもうちょっとターン数は大きい値を取りえそう。汎化ってのは難しいもんですね。
次回
次回はHKPP,HKPCの考え方も交えながら攻撃を凌ぐという観点も考慮して作成した冥府ウィッチの解説をしていけたらなと思います。